個人飲食店のSNS活用

個人飲食店のSNS活用

個人飲食店がSNSをやるべき理由

SNSをやってこなかったサラリーマン時代

2年程前に脱サラしてカフェオーナーとなった私ですが、サラリーマン時代はSNSと呼ばれるものはほとんどやってきませんでした。いや、正確に言うとアクティブユーザーでは無かったということです。

アクティブユーザーでは無いとはどういうことかというと、「mixi」「モバゲー」「フェイスブック」「ツイッター」「インスタグラム」などメジャーなSNSサービスのアカウントこそ作ってはいたもののほとんど日常は触ることもなく、たまに出かけたり旅行したりした時にテンションが上がって投稿するという年に1,2回程度更新するような状態でした。

それでも、開業にあたり少しでもお店の認知度を上げることができればと思い「フェイスブック」「ツイッター」「インスタグラム」のそれぞれお店の公式アカウントを作成し運用をはじめました。

フォロワー数もゼロからではちょっと恥ずかしいので、友人達にお願いしてとりあえずフォローしてもらい20人前後のフォロワーからそれぞれはじめました。

実際に1年半ほど運用していて気付いたこと良かったことなどを書き綴りますので、同じように個人飲食店や個人商店を営んでいる方など参考になればと思います。同業者の方の中でも「こういうの苦手」と敬遠しがちの方も多いのですが最早そう言っていられる時代ではないのかなと思います。

個人飲食店でSNSを利用するメリット

顧客が飲食店に来なくなる理由とは?

開業前にはさまざまな業者が営業に来ました。マーケティングや販促ツールの紹介が一番多かったと思います。その中の営業さんが言っていたのですが個人的にも納得できる話がありました。

人によって飲食店に行かなくなる理由っていろいろあるとおもいます。よく利用していた飲食店や利用したことのある飲食店に行かなくなる理由の1位って知っていますか?

答えは……「理由は無い」というのが1位なんだそうです。

そういえばあの店最近行ってないな」ということはみなさんあるかと思いますが、何か明確な理由があって行かなくなるという訳では無く、なんとなく最近行っていないという現象が多いようです。
(厳密に言えば行こうと思う魅力を感じないというのが理由だとも思いますが…)

SNSで効果的にターゲット層の記憶に繋ぎとめる

上記に書いた飲食店に行かなくなる理由の1位が「理由はない」ということは、裏を返せば「行く理由も無い」ということです。更には記憶から消えている可能性もあります。
もちろんSNSを利用してなくても充分に集客ができているお店もありますが、それでもSNSを利用することで新たな顧客層や商圏以外からの来客も見込めますし、既存の顧客にも再度お店を認識してもらうことで来店を促すことができます。
運用するSNSサービスの種類によってもユーザー層が異なり、自店のターゲット層が幅広く利用しているSNSで情報発信することによって効果的に集客することができます。

最近では大企業などでもSNSの活用が目立ち、商用での投稿以外にもユーモアのある投稿で集客している企業SNSも多数あります。公式アカウントの運営をしている人を「中の人」なんていう呼び方もされたりして注目を集めています。

SNSで業界や顧客の情報を集める

SNSサービスによっては匿名でのアンケートをとったり、質問を受け付ける機能などもあります。実際にこの機能を使って顧客のニーズを探ることによって店側の考える魅力と顧客の感じる魅力のズレに気づくこともできます。更には同業他社のSNSをフォローして動向を見たり、トレンド情報を集めることもできます。

上記のように情報を発信するだけではなく、情報を集める意味でもSNSを活用するメリットはあります。

無料でできるのがSNSの魅力

現在のスマホ全盛の時代では個人の飲食店と言えどもできれば「公式サイト」は有ったほうが集客をしやすいのだが公式サイトを作成するにはお金がかかります。
(以前と比べるとかなり格安で作成できるようにはなってきましたが)

SNSの魅力は基本的には無料で利用できるというところ。(有料サービスもあります)
スマホを利用することで簡単に写真や情報を発信できるのでまず取り組むのであればオススメの手段です。

取り組むべき定番のSNSサービス

情報発信したいターゲット層は?

各SNSサービスにおいてユーザー層もそれぞれです。自店のターゲット層がより多く利用しているSNSがオススメですが特徴もそれぞれですので、まずは下記の4種類を取り組むのが良いかと思います。

  • Facebook(フェイスブック)
  • Twitter(ツイッター)
  • LINE(ライン)
  • Instagram(インスタグラム)

【総務省が2017年に国民(13歳から69歳の男女1500人)に調査した結果】

利用率 主なユーザー層
Facebook 31.9% 20代、30代、40代
Twitter 31.1% 10代、20代と若い世代が多い
LINE 75.8% 10代~50代で幅広い
Instagram 25.1% 10代~30代、女性比率が高い

Facebook(フェイスブック)

  • 国内利用者数 2800万人(2017/09時点)
  • テキスト(リンク可)+画像/動画による投稿
  • メッセンジャー機能でのやり取りやシェア機能による拡散可

基本実名アカウントの多いSNSサービス。アクティブユーザーは30代~40代以上のウェイトが高い印象があり、テキストと画像の同時投稿がメイン。

フェイスブック自体は基本的に商用利用は規約違反であり、商用の「フェイスブックページ」というサービスで情報の発信が可能。

不特定多数への情報発信には向いていないが、シェアによるクチコミ効果も期待できるうえユーザー層とのクローズドなやりとりなどには向いている。

Twitter(ツイッター)

  • 国内利用者数 4500万人(2017/10時点)
  • テキスト(リンク可/140文字まで)+画像/動画による投稿
  • ダイレクトメッセージ機能でのやり取りやリツイートやいいねボタンによる拡散力が大きい

匿名アカウントが多く、複数アカウントを持つユーザーが多い。アクティブユーザーは10代~30代のユーザーが多く、テキストのみでの投稿も多い。リツイートという機能やいいねボタンによる拡散力が高いため、不特定多数のユーザーに情報発信するのに適している。

特に当店のような近隣に大学があるカフェの場合、学生世代のユーザー層も多く拡散力も高いため情報発信の効果は高い。

また、ツイッターと連動した「Peing~質問箱~」というサービスもおすすめです。ユーザーが特定のアカウントに匿名で質問を送ることができ、その返答を投稿することができます。

LINE(ライン)

  • 国内利用者数 7600万人(2018/10時点)
  • LINE@というサービス(無料~有料)を利用することにより、一斉送信やショップカード(スタンプカード)機能も利用可能

SNSというよりメッセンジャーアプリの印象が強いLINEだが、ユーザー層が幅広く利用者の数も断トツであり、なおかつ裏アカウントを利用しているケースも少ないのでより多くのターゲット層へ情報発信が可能。
商用利用を目的とした「LINE@」というサービスを利用することによりユーザーへの一斉送信やスマホを利用したクーポンの配布、ショップカード機能など一括で管理することができる。

Instagram(インスタグラム)

  • 国内利用者数 2900万人(2018/11時点)
  • 画像/動画をメインとしたSNSでテキストも投稿できるがタイムライン上ではテキストは一部のみ表示(リンク貼付不可)
  • #(ハッシュタグ)の利用率も高く、ネット検索では無くインスタ内での#検索で情報を集めるユーザーも多い。

比較的新しいSNSサービスで基本は写真をメインとした投稿。特に10代~20代の女性ユーザーの率が高くターゲット層がマッチするのであれば非常に効果的な販促ができるのと同ターゲット層でのクチコミの効果も高い。

実際にSNS運用してみて思うこと

当店の場合は実際に運用しているSNSなどのWEBサービスは以下の通りです。

  • 公式サイト&ブログ
  • グーグルマイビジネス(グーグルマップの情報管理)
  • フェイスブック
  • ツイッター
  • インスタグラム
  • ライン(LINE@)

ラインのみ2019年1月からの運用ですが、そのほかはオープン(2017年11月)から運用しています。

フォロワー

フォロワー(ともだち)を増やすという考え方

SNSのフォロワーともだちの数が多ければもちろん発信した情報の受け取り手も多くなるので広告にはなるのですが、個人的な見解ではフォロワーは「増やすのでは無く、増える」のが理想と考えています。目的手段の混同が起きてしまいがちですが、フォロワーの数を増やすのが目的では無くあくまでお店への来店誘導のための手段のひとつがSNSであり、フォロワー数だと考えています。(※飲食店などの場合)

理想的な展開としては投稿や発信の内容がユーザーに対してメリットがあるものであれば結果的にフォロワーが増えていくということ。増やすためのテクニックというのももちろん存在しますし、それを否定するわけでは無いですが目的を間違えないように気を付けてはいます。

SNSのアカウントを知ってもらうためにやったこと

各SNSともに新規でアカウント解説をしたためフォロワー(ともだち)はゼロからのスタートでした。それでもオープン前に知人や友人にお知らせして多少フォロワーがいる状態でスタートしました。
最低限、各SNSの公式アカウントの存在をアピールしなければなりません。もちろんお店の名前でアカウントを作れば興味のある方は検索して公式アカウントの存在にたどり着いてはくれるのですが、そこまでしてくれるのはごく一部の方のみです。

当店の場合はまず公式サイトのトップに各SNSへのリンクを作成し、公式サイトのQRコードをメニュー表やレシート(QRコードが印刷できるタイプのレジ)へ印刷して告知をしていきました。

投稿(発信)する内容

一般的な投稿内容

飲食店などのアカウントをフォローしたことある方は分かると思いますが、お店によって投稿内容は様々です。お店の業態やスタイル、ターゲット層などにもよって投稿する内容は異なるとは思いますが、以下のような情報を発信するのが一般的だと思います。

  • お店の営業情報(臨時休業や営業時間変更など含む)
  • 新商品、既存商品の紹介
  • イベント情報やお買得情報など
  • フォロワーにとって専門的な有益情報など

投稿に関して気を付けていること

これは個人的な見解であり、人によっては考え方も異なると思います。要は公私の混同を極力しないようにしています。よく見かけるのが「常連さんが集まってイベントで盛り上がってます」というような投稿。
個人的に飲食店の場合、常連さんと呼ばれるような頻繁に利用してくれる顧客と一見さんと呼ばれるような初めてもしくはたまに利用する顧客とあると思いますが、そもそも店舗としてSNSを利用する目的は来店促進が一番だと思います。たとえば「今日ちょっとこのお店行ってみようかな」と思ってSNSを確認したとして、先ほどのような投稿がされていたら私なら行くのをためらいます。
後は、公式アカウントで特定の顧客とオープンなやりとりをすることも極力避けています。やむを得ない場合もありますが、できればお店自体に「特定の顧客が集まっていきづらい」というようなイメージはつけないように気を付けてます。ちょっとわかりづらいかも知れませんがテレビ番組でいうスタッフでないと分からないようなネタで盛り上がるというか、身内でのワチャワチャ感というかは不特定多数を相手にする飲食店では適していないと考えています。

もちろん、地域密着の常連さんに支えられているようなお店などもありますので一概に否定することはできませんが、常連さんも一見さんから始まっていると考えています。

当店の場合のSNS運用

当店の場合、大学が近くにあり学生も多いためおのずと投稿頻度の高くなるSNSとそうでないSNSに分かれてきています。フォロワーの多い順に投稿も多くなってしまっています。
まだ本格的に戦略を練って取り組んでるほどではないのですが、フォロワーも投稿も多いのはツイッターです。ターゲット層でもある若年層や学生層が多く新製品やイベントの投稿などするとリアクションも多く来店につながるケースが多いです。ほぼ毎日製品情報や本日のケーキなど投稿しています。
インスタグラムフェイスブックはツイッター程の頻度ではないですが、営業情報の臨時の変更や新製品などを投稿しています。

LINE@の可能性

まだ初めて半年経っていないのですが、LINE@というツールは個人飲食店はぜひ取り組むべきツールだと思います。通常のLINEのネットワークを利用した事業者向けのツールなのですが…

  • ともだち(フォロワー)にメッセージを一斉送信が可能
  • クーポン配布機能(利用率なども確認可能)
  • ショップカード機能(スマホを利用したポイントサービスが可能)

無料プランの場合、メッセージの送信数に限度があるのですがフォロワーが少ないうちは充分かと思います。
(有料プランもあり、メッセージ送信数や機能を拡張できます)

実際に他のSNSと決定的に違うのがユーザー数で、しかも性質上裏アカウントを持つ人も他のSNSに比べて少ないのが特徴です。