スペシャルティコーヒーとは?

当店の看板にも書いてある
スペシャルティコーヒー」とは何かご存知ですか?

別に特別なコーヒーだと自画自賛しているわけではなく、れっきとした専門機関に認証されたコーヒーなのです。
市場に流通するコーヒーを大きく分けて4種類に分けられたグレードの中で最も高い品質なのがスペシャルティコーヒーと呼ばれています。

ざっくりまとめると…

スペシャルティ カップテストで認証機関に認証を受けたコーヒー
プレミアム 地域特性や希少性のある相場より高く取引されるコーヒー
コモディティ 産地の規格で出荷される相場相当で取引される汎用コーヒー
ローグレード 安価なレギュラーコーヒーやブレンドに使用されるコーヒー

以上のような区分けになります。
ちょっと詳しく解説しますと…

4種類のコーヒーグレード

世界に流通しているコーヒー豆は大きく分けて4種類に分類されます。

スペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒーの定義とは実は各国によって曖昧なニュアンスもありますが、トータルで判断すると以下の条件を満たすコーヒーをスペシャルティコーヒーと思っていただいて良いと思います。

①カップにおいて個性的で優れた香味をもっている
②生産者、品種、精製などトレーサビリティが明確である
③欠点豆の混入率が極めて低い
④専門機関(SCAAなど)の定義を満たす及びカップテストで認証を受ける

専門機関は以下のようなものがあります。

SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)
SCAE(ヨーロッパスペシャルティコーヒー協会)
BSCA(ブラジルスペシャルティコーヒー協会)

参考リンク:SCAA

http://scaa.org/

参考リンク:SCAJ スペシャルティコーヒーの定義

スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | Specialty Coffee Association of Japan
一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会の公式Webサイトです。

通常スペシャルティコーヒーの場合は販売される際に国名(地域名)、農園(生産者)、品種などの情報が開示されているケースが多いです。

プレミアムコーヒー

プレミアムコーヒーの特徴としては…

①地域特性の優れた香味を持つコーヒー
②特殊で希少性のあるコーヒー
③ニューヨーク市場の相場より高値で取引されるコーヒー

分かりやすい銘柄でいうとジャマイカ産「ブルーマウンテン」やハワイ産の「コナ」あたりが有名です。
昔からよく聞くちょっと高価なコーヒーがプレミアムだと思っていただければ良いと思います。

上記を見るとスペシャルティと何が違うのか?という疑問もあるかとは思いますが、基本的にスペシャルティとプレミアムの違いは専門機関の認証を受けているかいないかになります。
例えば一般的な「ハワイ コナ」というコーヒーがありますがこれは通常プレミアムの位置づけになりますが、これはハワイ島のコナという地域のコーヒーの総称であり、その中のいち農園などが個別にスペシャルティの認証を受けるとスペシャルティコーヒーと呼ばれます。当店でも扱ったことのある「ハワイ カイナリウ(農園) コナ」がそれに当たります。

コモディティ(コマーシャル)コーヒー

コモディティコーヒーとは…

①国や地域ごとの規格で大量に流通する汎用コーヒー
②ニューヨーク市場の相場相当で取引されるコーヒー

一般的にみなさんが目にする機会が多いのはこのコモディティコーヒーです。
産地や国名の規格で集められ豆の粒の大きさや欠点豆の混入率でグレーディングされて流通します。喫茶店やカフェなどでよく見る「ブラジル」「モカ」「コロンビア」「マンデリン」などは主にこのコモディティコーヒーと呼ばれています。

ローグレードコーヒー

ローグレードコーヒーとはその名のとおりで…

①安価なレギュラーコーヒーなどに使用されるコーヒー
②主にカネフォーラ(ロブスタ)種のコーヒー

※コーヒーは大きく分けてアラビカ種とカネフォーラ(ロブスタ)種に分かれます。通常単独種での飲用の大半はアラビカ種ですが、最近ではカネフォーラ種でも飲用に流通しているものもあります。

スペシャルティコーヒーの歴史

実はスペシャルティコーヒーという概念はそれほど古くはなく1980年代で、それまでのコーヒーは質では無く産地、粒の大きさ、標高などで格付けをされていたため同じ銘柄でも品質のブレ幅が大きかったと言われています。1982年SCAAが発足し、2000年頃(2003年にSCAJ発足)には世界中で食品のトレーサビリティの明確化が進み、優れた生産者のコーヒーを直接評価し市場よりも高値で取引する現在のスペシャルティの流通の流れが徐々に確率してきました。
ニューヨーク市場の相場に左右されずに優れた生産者には相当の対価を得ることができる仕組みに徐々に変わってきたことと良いコーヒーを求めて消費国のさまざまな企業が生産者を支援する活動も活発になっています。

最近では、コンビニコーヒーなどでもスペシャルティを冠したコーヒーを見かけるようになりましたがまだまだ業界の人間やコーヒーファンでしかスペシャルティコーヒーという概念は浸透していないのが現状です。

スペシャルティを知るとコーヒーがもっと楽しめる

コーヒーはワインと並んで世界で最も飲まれている嗜好飲料です。飲み方も国や地域によって多種多様であり日本でもホームセンターや雑貨屋さんなどではコーヒーグッズが数多く並んでいます。ネット通販も普及し、比較的容易にコーヒー豆を選んで購入できる時代になりました。

実は日本は世界中の優れたスペシャルティコーヒーを数多く輸入している国でもあります。コーヒー消費量も世界有数のコーヒー消費国でもあり、特に毎年各コーヒー生産国のCOE(カップオブエクセレンス)受賞豆も日本の企業が数多く落札しています。

すなわち、数多くのスペシャルティコーヒーと出会う機会が数多く存在しており、そのひとつひとつの銘柄や更には同じ銘柄でも焙煎や淹れ方などによって様々な香味と出会うことができます。

当店のコーヒーは少なくても常時8種類以上扱っています。定番で置いている豆もあれば入れ替わっていく豆もあります。できるだけ数多くの種類や違いをみなさんに楽しんでもらいたいという建前で本当は私自身が一番楽しんでいるのかもしれません。

忘れられがちなことですがコーヒー豆はあくまで「農作物」であり「生鮮食品」でもあります。気に入った銘柄がいつまでも入荷できるとも限りませんし、来年また入荷するとも限りません。なので新しい豆との一期一会を楽しむのです。

嬉しいことに「新豆入荷しました」と告知すると楽しみに飲みに来てくれる方も徐々に増えてきました。
コーヒーを知って楽しんでもらえる情報をこのサイトや店頭、SNSなどでも発信していきます。

このように地域に「コーヒーを楽しむ文化」を広めることが出来たら幸いです。

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